第5章 国民と防衛 

2 教育訓練

 自衛隊が、わが国の防衛をはじめとする様々な任務を遂行するためには、装備品などの充実を図るだけでなく、平素から、指揮官をはじめ各隊員が高い資質と知識・技能を保持するとともに、部隊としても高い練度を維持し、いかなる場面でも実力を発揮できる態勢にあることが必要である。これは、自衛隊の活動が期待される各種事態における迅速・的確な対処を可能とすると同時に、わが国への侵略を意図する国に対し、それを思いとどまらせる抑止力としての機能をも果たす。
 教育訓練は、このような人的な面で自衛隊の任務遂行能力を強化するための最も重要な基盤である。このため、自衛隊は、種々の制約の中、事故防止などの安全確保に細心の注意を払いつつ、隊員の教育や部隊の訓練などを行い、精強な隊員や部隊を練成するとともに、即応態勢の維持・向上に努めている。なお、自衛隊では、教育を受け訓練を行った後、さらに高度な教育を受けた上で訓練を行うなど、教育と訓練の質を高めながらこれらを繰り返すことにより、隊員の知識・技能の向上を図ることとしている。

 

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