第3章 緊急事態への対応 

2 部隊行動基準の策定に向けた取組

 武力攻撃事態、それ以外の緊急事態などにおける自衛隊の部隊行動に際して、文民統制の下、法令などを守りつつ、それぞれの部隊がその時々の情勢や現場の実情に応じて的確な行動をとることが必要である。部隊行動については、その基本事項などを定めた自衛隊法などを受け、部隊行動の要領に関する一般的な規範として各種規則が整備されている。しかしながら、不審船や武装工作員などへの対応が求められる中、部隊などがより的確に任務を遂行(すいこう)するためには、法令などの範囲内で部隊などがとり得る対処行動の限度を明確に示すことで、部隊行動を適切に律することが一層重要となっている。このような観点から、防衛庁では、「部隊行動基準」を作成している。
 部隊行動基準は、法令などの範囲内で、部隊などがとり得る具体的な対処行動の限度を長官の行う政策的判断に基づき示すことにより、部隊などによる法令などの遵守を確保するとともに、的確な任務遂行に資することを目的としている。これにより、部隊指揮官の政策的判断にかかわる負担は軽減されるとともに、部隊行動を政府の方針に的確に合致させることが容易になる。

 

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