第3章 緊急事態への対応 

第1節 わが国の防衛

 防衛大綱1では、わが国の防衛が、防衛力の果たすべき第一の役割として位置づけられた。
 現在もなお、わが国周辺地域には不透明・不確実な要素が残されており、万一の侵略事態が起こった場合の国民の生命・財産の損失の大きさを考えると、わが国の防衛という役割の本質的な位置づけは変化していない。
 自衛隊は、わが国の防衛を主たる任務とし、侵略の未然防止を図るとともに、わが国に対する侵略事態に備えるための態勢を整備している。万一、外部からの武力攻撃(そのおそれのある場合を含む。)が行われた場合、内閣総理大臣は、わが国を防衛するため必要があると認める場合には、国会の承認を得て、自衛隊の全部又は一部の出動(防衛出動:自衛隊法第76条)を命ずることができる。これを受けて、各自衛隊は、互いに緊密に連携して行動するとともに、米軍とも共同して外部からの武力攻撃を排除する。
 本節では、わが国を防衛するため、平素から行っている警戒監視活動や、自衛隊が行うと考え得る典型的な作戦の概要について説明する。

 
陸・海・空防衛力の特性



 
1)「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱について」(2章2節参照)


 

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