第3章 緊急事態への対応
防衛庁・自衛隊は、わが国の平和と安全に重大な影響を及ぼす様々な緊急事態に対し、迅速・的確に対処し得るよう、平素から態勢をとっておくことが必要である。
このような態勢を実効性あるものとするためには、外部からの武力攻撃や、不審船・武装工作員などによるわが国の領域内での活動、核・生物・化学(NBC)兵器を使用した攻撃、弾道ミサイルによる威嚇・発射など、現在、わが国として想定し得る主要な緊急事態や、地震・風水害などの大規模災害について、対処のための枠組や方法を確立しておくことが重要である。
本章では、このような事態が発生した場合、防衛庁・自衛隊は「何が」「どこまで」できるのか、また、事態に迅速・的確に対処し得るよう平素から「どのようなこと」に取組んでいるのか、などについて述べるとともに、防衛庁として長年の検討課題であった、いわゆる有事法制の法整備状況について説明する。