第2章 わが国の防衛政策 

在日米軍施設・区域の安定的な使用の確保

 在日米軍施設・区域は、在日米軍の活動の拠点となるものである。その円滑かつ安定的な使用の確保は、日米安保体制を維持し信頼性を高めるため必要不可欠な要素である。
 政府は、必要な在日米軍施設・区域の安定的な使用を確保するため、その民公有地については、所有者との合意の下、賃貸借契約などを結んでいる。しかし、このような合意が得られない場合には、駐留軍用地特措法1により、使用権原(けんげん)2を取得することとしている。
 また、政府は、日米安保条約の目的達成と周辺地域社会の要望との調和を図るため、在日米軍施設・区域に関する諸施策3を推進してきた4。さらに、在日米軍施設・区域の周辺地域、特に沖縄県においては、米軍人などによる事件・事故の発生が地域住民に影響を与えていることから、米軍に対して兵員の教育、綱紀粛正などその再発防止策について実効ある措置を講ずるよう求め、政府としても再発防止策に協力していくとともに、こうした事件・事故による被害に対しては迅速かつ適切な補償が行われるよう措置している。

 
在日米軍駐留経費負担の現状(平成15年度予算)



 
1)正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」。

 
2)権原とは、ある行為を正当化する法律上の原因。

 
3)岩国飛行場滑走路移設事業、空母艦載機の着陸訓練場の確保、SACO最終報告の実施など。

 
4)5章3節44節参照。


 

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