第2章 わが国の防衛政策 

在日米軍の駐留にかかわる経費の負担など

 在日米軍駐留経費負担は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保する上で重要である。このような観点から、わが国は財政事情などにも十分配慮しつつ、地位協定1の範囲内で、あるいは特別協定2に基づいて、できる限りの努力を払ってきた。現在、防衛庁においては、在日米軍駐留経費負担として、1)在日米軍が使用する施設・区域についての提供施設整備費3、2)在日米軍従業員の労務費、3)在日米軍が公用のため調達する光熱水料など、4)日本側の要請による在日米軍の訓練の移転に伴い追加的に必要となる経費の負担を行っている。なお、現行特別協定では、最近のわが国をめぐる経済・財政状況などにかんがみて、一定の節約・合理化策を導入している。
 これらの在日米軍駐留経費負担のほか、政府は在日米軍施設・区域の提供に必要な経費(施設の借料など)の負担、同施設・区域の周辺地域における生活環境などの整備のための措置、在日米軍従業員の離職対策などを行っている。また、市町村に対して固定資産税の代替である基地交付金などを交付4している。

 
沖縄にある嘉手納基地の周辺を飛行する米空軍機〔U.S.A.F〕



 
1)正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」。
これにより、合衆国軍隊が使用する施設・区域の提供や合衆国の船舶・航空機の港・飛行場への出入り、公共の役務の利用などを定めている。

 
2)正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」。

 
3)提供施設整備については、案件採択基準を次のとおり策定し、効率的な実施に努めている。
 1)在日米軍の駐留基盤整備に寄与する施設(隊舎、家族住宅など)については、必要性、緊急性などを勘案しつつ着実な整備を図る。
 2)レクリエーション、娯楽施設などの福利厚生施設については、必要性を特に精査し、娯楽性・収益性が高いと認められるもの(ショッピングセンターなど)の新規採択を控える。

 
4)総務省が交付。


 

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