装備・技術面での交流
日米両国は、日米安保条約において、それぞれの防衛能力の維持、発展のために相互に協力するとしている。また、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定」は、両国間の防衛分野における相互協力のための枠組を定めている。わが国としても、こうした相互協力の原則を踏まえ、わが国の技術基盤・生産基盤の維持に留意しつつ、米国との装備・技術面に関する協力を積極的に進める必要がある。
わが国は、日米技術協力体制の進展と技術水準の向上などの状況を踏まえ、1983(昭和58)年、対米武器技術供与取極(とりきめ)を締結し、米国に対しては、武器輸出三原則によらず武器技術を供与することとした
1。以来、携行
SAM:Surface to Air Missile
2関連技術などを皮切りに、弾道ミサイル防衛共同技術研究に関連する武器技術など13件の武器技術の対米供与を決定している。
また、日米両国は、装備・技術問題についての意見交換の場である日米装備・技術定期協議(
S&TF:Systems and Technology Forum)などで協議を行い、そこで合意された具体的なプロジェクトについて日米共同研究・改修を行っている。昨年3月に政府間取極を締結した「P-3Cの後継機の搭載電子機器」や「ソフトウェア無線機」など、92(平成4)年以降、これまで11件の共同プロジェクトに関する政府間取極を締結して共同研究などを行っており、内6件は既にプロジェクトを終了している。また、本年5月に、日米の防衛当局間で実施する「科学技術者交流計画」(ESEP:Engineers and Scientists Exchange Program)に関する政府間取極を締結した
3。日米間での装備・技術協力は、日米両国にとって、インターオペラビリティの向上や、研究開発コスト及びリスクの低減などの意義があり、日米両国は今後の協力の拡大についても検討を行っている。