第2章 わが国の防衛政策 

3 平素から行っている協力

政策協議及び情報交換など

(1)日米間の主要な協議の場
 日米間の安全保障に関する政策の協議は、通常の外交ルートによるもののほか、日米安全保障協議委員会(SCC)(いわゆる「2+2(ツー・プラス・ツー)」会合)、日米安全保障高級事務レベル協議(SSC:Security Subcommittee)、防衛協力小委員会(SDC:Subcommittee for Defense Cooperation)など各種のレベルで緊密に行われている。これら協議の枠組は次の図表のとおりである。
 また、防衛庁は、日米安保体制の下、米国防省などとの間で必要な情報の交換を行っている。近年、日米の防衛協力が進んだことにより、実務レベルでの情報交換の重要性が一層増してきている。
 このように、あらゆる機会とレベルで意思の疎通を図り、情報と認識を共有していくことは、日米安保体制の信頼性の向上に役立つものである。

(2)日米安全保障協議委員会
 昨年12月、日米安全保障協議委員会がワシントンで行われ、日本からは石破防衛庁長官と川口外務大臣、米国からはウルフォウィッツ国防副長官とパウエル国務長官が出席した。この会議では、テロとの闘い、国際情勢、ミサイル防衛と在日米軍の駐留に関する諸問題などについて幅広く意見の交換が行われた。
 この中で、米国側から、テロとの闘いに対するこれまでのわが国の支援に対して感謝の意の表明があった。これに対し日本側からは、日米両国がテロの根絶のために今後とも努力を続けるべきであると発言した。
 また、北朝鮮の核開発などの問題について、日米両国は北朝鮮の核開発問題につき懸念を表明するとともに、日米韓を含む関係国が結束して北朝鮮に働きかけていくことが重要との認識で一致した。
 ミサイル防衛については、米国側から、米国のみならず同盟国をも守るものであり、同盟国とも協力しながら進めたいなどの発言があった。日本側から、急速な技術的進展を踏まえつつ、弾道ミサイル防衛システムという課題に主体的に取り組む旨発言した。今後とも日米で緊密に連携していくことで認識が一致した。

 
安全保障問題に関する日米両国政府の関係者間の主な協議の場

 
日米安全保障協議委員会後に記者会見を行う日米両国の閣僚ら(昨年12月 ワシントン)

(3)日米防衛首脳会談
 昨年12月には、日米安全保障協議委員会に引き続き、日米防衛首脳会談がワシントンで実施され、石破防衛庁長官とラムズフェルド国防長官がミサイル防衛、日米間の今後の協力のあり方、地域情勢などについて協議した。
 日米両国は、テロと大量破壊兵器の拡散が進むことで、冷戦後の安全保障環境は新たな状況に入っていることについて認識が一致した。その上で、日米間の今後の協力のあり方について、日本側から今後とも緊密な意見の交換を行っていきたい旨発言したのに対し、米国側から同様の認識を持った国々が協力していかねばならない旨の発言があった。

 
日米防衛首脳会談に向かう石破長官とラムズフェルド国防長官(昨年12月 ワシントン)〔Department of Defense〕

 

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