第2章 わが国の防衛政策 

日米共同訓練

 自衛隊と米軍の共同訓練は、それぞれの戦術技量1の向上を図る上で有益である。さらに、日米共同訓練を通じて、平素から戦術面などの相互理解と意思疎通を深め、インターオペラビリティ2を向上させておくことは、日米共同対処行動を円滑に行うために欠かせない。また、周辺事態安全確保法などにより自衛隊に与えられた任務を行う上で、日米の連携要領を平素から訓練しておくことも重要である。このような努力は、ひいては日米安保体制の信頼性と抑止効果を維持し向上させることにもつながる。
 このため、自衛隊は、米軍との間で、各種の共同訓練をこれまでも行っており、今後ともその内容の充実に努めていく方針である。こうした観点から、例えば昨年9月には、陸上自衛隊が多様な事態に即応するために、米国において専用の訓練施設などを活用した市街地戦闘などに関する実動訓練をはじめて行った。また、昨年11月には日米共同統合演習(実動演習)を行い、わが国に対する武力攻撃や周辺事態が発生した場合における陸・海・空自衛隊間や自衛隊・米軍間の連携要領について訓練を行った3

 
日米共同訓練において共同連携要領について調整中の陸自指揮官及び米海兵隊指揮官(本年2月 北海道遠軽演習場)



 
1)個々の装備を使いこなすとともに、一定の規模の部隊を動かすための能力など。

 
2)戦術、装備、後方支援、各種作業の実施要領などに関し、共通性、両用性を持つこと。

 
3)資料29参照。


 

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