Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <解説>日豪防衛協力の深化

<解説>日豪防衛協力の深化

インド太平洋地域において、力による一方的な現状変更の試みがみられ、安全保障環境が一層厳しさを増している中、基本的価値を共有するオーストラリアとの連携は極めて重要です。日豪両国は共に米国の同盟国であり、従来からルールに基づく国際秩序などの共通の価値観に支えられ、かけがえのないパートナーとなっています。2014年には「特別な戦略的パートナーシップ」関係を樹立しました。

安全保障・防衛分野における日豪の協力関係も、近年著しく深化しており、毎年日豪間の各軍種間において共同訓練を実施し、相互運用性、連携要領、練度を向上させています。2021年、日豪共同訓練の機会に海自護衛艦が豪軍艦艇に対して、自衛隊法第95条の2に基づく警護を米軍以外に初めて実施しました。2022年には、オーストラリアで実施された豪空軍演習(ピッチ・ブラック22)に空自が初参加し、米国以外へ初めて戦闘機(F-2A)を派遣しました。

ピッチ・ブラック22

ピッチ・ブラック22

また、2022年1月には日豪円滑化協定に両国の首脳が署名しました。円滑化協定は、共同訓練や災害救助などの両国部隊間の協力活動の実施を円滑化するもので、発効後は、さらなる相互運用性の向上が期待されます。

さらに、2022年10月、日豪の首脳間で署名された新たな「安全保障協力に関する日豪共同宣言」において今後10年の日豪安保・防衛協力の方向性が示されました。続く同年12月の第10回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)で、四大臣は、首脳間の共通の認識を踏まえ、早急に実施すべき二国間協力を特定し、速やかに実施していくことで一致しています。

わが国とオーストラリアは、地域の同志国連携の中核として、日米豪などの取組を重層的に活用しながら、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き緊密に協力していきます。