重要影響事態安全確保法7は、重要影響事態(そのまま放置すればわが国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態)が生起した場合の対応として、後方支援活動などを行うことにより、重要影響事態に対処する外国との連携を強化し、わが国の平和及び安全の確保に資することを目的としている。同法では、支援対象や対応措置について次のとおり定めている。
支援対象となる重要影響事態に対処する軍隊等は、「日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍」、「国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊」及び「その他これに類する組織」である。
重要影響事態への対応措置は、①後方支援活動、②捜索救助活動、③船舶検査活動8、④その他の重要影響事態に対応するための必要な措置である。
外国領域での対応措置については、当該外国などの同意がある場合に限り実施可能である。
他国の武力の行使との一体化を回避するとともに、自衛隊員の安全を確保するため、次の措置が規定されている。
重要影響事態と存立危機事態の両者は、異なる法律上の概念として、それぞれの法律に定める要件に基づいて該当するか否かを個別に判断するものであるが、わが国にどのくらいの戦禍が及ぶ可能性があるのか、そして国民がこうむることとなる被害はどの程度なのかといった尺度は共通するなど、存立危機事態は概念上、重要影響事態に包含されるものである。したがって、事態の推移により重要影響事態が存立危機事態の要件をも満たし、存立危機事態が認定されることもありうる。