Contents

第II部 わが国の安全保障・防衛政策

3 わが国の安全保障に関する基本的な原則

わが国の国益を守るための安全保障政策の遂行の前提として、わが国の安全保障に関する基本的な原則は次のとおりである。

  • 国際協調を旨とする積極的平和主義を維持する。その理念を国際社会で一層具現化しつつ、将来にわたってわが国の国益を守る。そのために、わが国を守る一義的な責任はわが国にあるとの認識のもと、刻々と変化する安全保障環境を直視した上で、必要な改革を果断に遂行し、わが国の安全保障上の能力と役割を強化する。
  • 自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値を維持・擁護する形で、安全保障政策を遂行する。そして、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中においても、世界的に最も成熟し安定した先進民主主義国の一つとして、普遍的価値・原則の維持・擁護を各国と協力する形で実現することに取り組み、国際社会が目指すべき範を示す。
  • 平和国家として、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を堅持するとの基本方針は今後も変わらない。
  • 拡大抑止の提供を含む日米同盟は、わが国の安全保障政策の基軸であり続ける。
  • わが国と他国との共存共栄、同志国との連携、多国間の協力を重視する。