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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

3 共同訓練・演習

平素から共同訓練・演習を行うことは、戦術面などの相互理解や意思疎通といった相互運用性を向上させ、日米共同対処能力の維持・向上に大きく資するのみならず、日米それぞれの戦術技量の向上を図るうえでも有益である。とりわけ、実戦経験豊富な米軍から習得できる知見や技術は極めて貴重であり、自衛隊の能力向上に大きく資するものである。

また、効果的な時期、場所、規模で共同訓練を実施することは、日米間での一致した意思や能力を示すことにもなり、抑止の機能を果たすことになる。これらの観点を踏まえ、防衛省・自衛隊は、引き続き共同訓練の充実に努めている。

共同訓練・演習は、国内のみならず、米国への部隊派遣などにより拡大している。さらに、その内容も宇宙・サイバー・電磁波といった新領域を含めた領域横断作戦レベルにまで進化している。また、日米共同方面隊指揮所演習、対潜特別訓練、日米共同戦闘機戦闘訓練など、各軍種において相互運用性及び日米共同対処能力の向上の努力を続けている。

昭和60(1985)年度以降、日米共同統合演習として、おおむね毎年、指揮所演習と実動演習を交互に行ってきた。2022年1月から同年2月にかけては、防衛省市ヶ谷地区などにおいて、指揮所演習(キーン・エッジ22)を実施した。

これらの日米共同訓練は、自衛隊と米軍の即応態勢を確認し、相互運用性を向上させるものであり、日米同盟の抑止力・対処力を強化するため実施したものである。その結果として、日米の連携強化が図られ、絆を示すことは、わが国の安全保障環境が厳しさを増している中で、日米同盟全体の抑止力・対処力を一層強化し、地域の安定化に向けたわが国の意思と高い能力を示す効果があるものと考えている。

近年では、地方自治体が開催する防災訓練に在日米軍も参加し、関係機関との連携を深めている。

参照資料25(主な日米共同訓練の実績(2021年度))