岩国市は、瀬戸内海に面した山口県東部に位置し、県内でも有数の山々、清流、美しい海、歴史・文化・観光資源等、地域に根ざした多様な個性や資源が点在しています。
その個性の一つとして、米海兵隊及び海上自衛隊が共同使用する岩国航空基地が所在していますが、平成18年5月に日米政府間で合意された米軍再編のロードマップにより、沖縄県普天間飛行場からKC-130空中給油機15機が移駐、また、今年3月末に神奈川県厚木飛行場から米海軍の空母艦載機約60機の移駐が完了しました。これにより、岩国基地所属の米軍機は約120機となり、新たに米海軍の部隊を有する基地となりました。
本市においては、平成26年12月に策定した市の総合計画で「基地との共存」を掲げ、航空機騒音や事件・事故等、基地に起因する様々な障害を軽減する対策に取り組むとともに、教育、防災、観光、産業振興及び日米交流などの分野で、基地が所在するメリットを最大限活かしたまちづくりを進めることとしています。
日米交流では、空母艦載機の移駐に関連して防衛省が整備した愛宕山運動施設(野球場・陸上競技場・文化交流センター等)で、スポーツや文化を通じた交流が促進することが期待されています。
移駐に伴い、厚木飛行場から約3,800名の軍人・軍属・家族が岩国へ移動し、これまでと合わせて1万人を超える人数となりますが、米軍関係者を「良き隣人」として、基地と市民との良好な関係を保ちながら、様々な機会を通じて、日米の相互理解と親善を深めていきます。
平成24年12月には米軍基地の滑走路を利用する空港として「岩国錦帯橋空港」が開港し、平成28年3月には羽田便に加えて沖縄便が就航、開港から現在までの搭乗率が68.0%(平成30年4月末現在)となっており、開港前の予想を超える好調な数字を維持しています。
岩国はこれまで基地とともに歩んできた歴史があり、基地の安定的な運用に協力してきました。
基地を抱える自治体として様々な課題があることも事実ですが、本市のこれまでの取り組みは、在日米軍の抑止力の維持とともに、わが国の国防や安全保障政策への貢献並びに沖縄の負担軽減に資するとの認識の下、引き続き、本市の長期的な発展と市民の安心安全を守る自治体の責務を果たしていく所存です。
ハガティ駐日大使と愛宕山運動施設(野球場)を視察する福田岩国市長(写真中央)
平成30年3月30日に空母艦載機の移駐が完了
(写真はEA-18G)