コラム

<VOICE>海のきずなを深めて -海洋安全保障への取組-

海上自衛隊幹部学校 国際計画班長 1等海佐 井上 高志(いのうえ たかし)

現在、海洋安全保障を担うリーディング・フォースたる海上自衛隊では、共同訓練や幕僚協議などを通じて諸外国海軍との関係の深化を図っていますが、それらとは違ったアプローチで着実に関係深化の成果をあげている取組があります。それがここに紹介する「アジア太平洋諸国海軍大学セミナー」です。わが幹部学校では、アジア太平洋諸国の海軍大学の教官や研究者を年1回本校に招き、海洋安全保障に関連する様々なテーマについて議論することで相互理解を深め、周辺国との防衛交流の推進に寄与すべく、同セミナーを98(平成10)年より行っています。16回目となる本年は2月18日から22日までの間で開催しました。
なお、今回は海上保安庁、海洋政策研究財団(OPRF)のほか、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)および独立行政法人国際協力機構(JICA)から参加を得て、アジア太平洋地域のみならず、欧州からの視点、さらには軍以外の視点から見たアジア太平洋地域の海洋安全保障について意見交換を行うなど、これまで以上に幅広い議論を行い、相互理解の深化を実現することができました。

アジア太平洋諸国海軍大学セミナーにおいて討議中の筆者
アジア太平洋諸国海軍大学セミナーにおいて討議中の筆者
 
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