第III部 わが国の防衛に関する施策
8 欧州諸国およびその他諸国との防衛協力・交流
1 欧州諸国との防衛協力・交流など

欧州は、わが国と基本的な価値を共有し、また、テロ対策や海賊対処などの非伝統的安全保障分野や国際平和協力活動を中心に、グローバルな安全保障上の共通課題に取り組むための中核を担っている。そのため、欧州諸国と防衛協力・交流を進展させることは、わが国がこうした課題に積極的に関与する基盤を提供するものであり、わが国と欧州の双方にとって重要である。
このような認識のもと、13(同25)年2月にはフランスとの間で外務・防衛当局間協議を行うとともに、12(同24)年9月から13(同25)年5月までの間に、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、ノルウェー各国との間で、防衛当局間の協議を行い、地域情勢やグローバルな安全保障問題についての活発な意見交換を行った。
スペインとの間では、同年1月に、防衛事務次官がスペインを訪問し、モレネス防衛大臣を表敬するとともに、アルバル・ゴンサレス防衛政策事務総長との意見交換を行った。
NATOとの間では、10(同22)年6月に日・NATO情報保護協定を、フランスとの間では、11(同23)年10月に、日フランス情報保護協定を締結し、情報共有の基盤を整備しているほか、13(同25)年2月より、イタリアとも情報保護協定の締結交渉を開始した。
フランスとの間では、13(同25)年6月に、小野寺防衛大臣が、シャングリラ会合においてル・ドリアン・フランス国防大臣と会談を行い、日フランス間の防衛協力・交流の状況や地域情勢について意見交換した。双方は、今後さらに日フランス間で防衛交流各分野での議論をしていくことで一致した。

2 その他の国との防衛協力・交流など

その他の国との交流では、モンゴルとの間で、12(同24)年10月、森本防衛大臣(当時)が、ボルド・モンゴル外務大臣と会談した。また、同年11月に、防衛事務次官が初めてモンゴルを訪問し、チョイジャムツ・モンゴル国防次官との第1回防衛次官級協議を行い、能力構築支援や地域情勢について意見交換した。能力構築支援については、同年10月に、陸上自衛官などを派遣し、陸上自衛隊の衛生に関する短期間のセミナーを行った。
トルコとの間では、同年7月に、防衛事務次官がトルコを訪問し、ユルマズ国防大臣を表敬するとともに、ドゥンダル国防次官との会談を行った。会談では、防衛交流・協力の意図表明文書に署名するとともに、日トルコ防衛協力の推進について一致した。13(同25)年3月には、ユルマズ国防大臣が訪日し、小野寺防衛大臣と日トルコ防衛相会談を行った。会談では、地域情勢について意見交換を行うとともに、防衛当局間協議(局長級)を早期に開催することや、各種の防衛交流を進めていくことについて合意した。
カザフスタンとの間では、12(同24)年7月に、防衛事務次官がカザフスタンを初めて訪問し、ジャクスイベコフ国防大臣を表敬するとともに、ジャスザコフ国防第一次官との会談を行った。会談では、両国の防衛分野における交流の発展の必要性で一致し、次官級をはじめとしたハイレベルの交流、防衛当局間協議をはじめとした実務者レベルの協議の開始、PKO・人道支援分野における協力、教育・研究機関間の交流を通じた協力を推進していくことで一致した。
サウジアラビアとの間では、13(同25)年4月に、安倍内閣総理大臣が、サルマン皇太子と首脳会談を行い、海上安全保障や海上輸送路の安全確保、海賊対処、不拡散、テロ対策、HA/DR分野などにおける外務・防衛当局間の安全保障対話を促進することで一致した。
アラブ首長国連邦との間では、同年5月に、安倍内閣総理大臣が、マクトゥーム副大統領兼首相およびアブダビ皇太子と会談を行い、海上安全保障、海賊対処、不拡散、テロ対策、HA/DRなどを議論するため、安全保障対話を行うことで一致した。
参照 資料66

 
前の項目に戻る      次の項目に進む