(1)自衛隊の施設などの警護出動
内閣総理大臣は、国内の自衛隊施設や在日米軍施設・区域でテロが行われるおそれがあり、被害を防止するため特別の必要があると認める場合には、当該施設または施設・区域の警護のために自衛隊の部隊などの出動(警護出動)を命ずることができる。
警護出動を命ぜられた部隊などの自衛官の職務の執行については、警察官職務執行法に基づく権限が一部準用1されるほか、同法第7条を超える武器の使用権限なども規定されている。
参照 資料42・43
防衛省・自衛隊は、警護出動の実効性を確保するため、03(同15)年以降、各地の在日米軍施設・区域において警護出動訓練を行っているほか、警察や海上保安庁との間で意見交換を行っている。
(2)平素における自衛隊の施設警護のための武器の使用
国内の自衛隊の施設2を自衛官が職務上警護する際の武器使用権限が規定3されている。
防衛省・自衛隊は、周辺事態に際して、周辺事態安全確保法や船舶検査活動法に定める後方地域支援としての物品・役務の提供や後方地域捜索救助活動、船舶検査活動を行うこととしている。
なお、こうした活動は、07(同19)年1月、本来任務と位置づけられた。
参照 II部3章1節、資料42・43
各種事態で防衛力を効果的に運用するためには、各種事態の兆候を事前に察知し、迅速・的確な情報の収集・分析・共有を行うことがより一層求められている。そのため、わが国の安全保障の観点からは、より広範で総合的な情報能力が必要となっている。
これらを踏まえ、防衛省・自衛隊では、情報収集手段の多様化を図るとともに、各種情報の総合的な分析・評価に努めている。情報収集活動の例としては、
<1> わが国上空に飛来する軍事通信電波や電子兵器の発する電波などの収集・処理・分析
<2> 高分解能商用衛星画像データの収集・解析4
<3> 艦艇・航空機などによる警戒監視
<4> 各種公刊情報の収集・整理
<5> 各国国防機関などとの情報交換
<6> 防衛駐在官などによる情報活動
などがあげられる。
また、安全保障環境や技術動向などを踏まえた多様な情報収集能力や総合的な分析・評価能力などを強化するため、人材の育成や各種情報収集器材・装置などの充実を図るとともに、情報能力を支える情報本部をはじめとする情報部門の体制の充実を図っている。
さらに、13(同25)年2月28日、政府は「在アルジェリア邦人に対するテロ事件の対応に関する検証委員会検証報告書」を公表し、同報告書において防衛駐在官の体制強化・拡充、軍事関連の地理空間情報の整備や軍事情報分野の分析体制の強化を図る必要があるとされたことを受け、防衛省・自衛隊における情報収集能力や総合的な分析・評価の体制など、より一層の強化・拡充を図るための検討を進めている。
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