第II部 わが国の防衛政策と日米安保体制
5 日米共同訓練

自衛隊と米軍は、戦術面などの相互理解と意思疎通を深め、相互運用性(インターオペラビリティ)を向上させるとともに日米の共同対処能力を高めるため、平素より様々な共同訓練を実施してきている。昭和60年度以降、日米共同統合演習として、おおむね毎年交互に指揮所演習または実動演習を行ってきており、12(平成24)年11月の実動演習は、11回目であった。また、陸・海・空自は、国内のみならず、米国に部隊を派遣するなどして、日米共同方面隊指揮所演習、対潜特別訓練、日米共同戦闘機戦闘訓練など共同訓練を拡大してきており、軍種・部隊レベルにおいても相互運用性および日米の共同対処能力向上の努力を続けている。その一つとして、同年10月から11月に行った国内における米陸軍との実動訓練には、装輪装甲車「ストライカー」を装備し機動展開能力に優れたストライカー大隊が初めて参加し、陸自の参加部隊は同大隊との連携要領を演練した。
こうした、平素からの共同訓練を行うことは、相互の能力や戦術についての理解を深め、日米共同対処能力の維持・向上に大きく資するのみならず、日米それぞれの戦術技量の向上を図る上でも有益である。とりわけ、実戦経験豊富な米軍から習得できる知見や技術は極めて貴重であり、自衛隊の能力向上に大きく資するものである。また、効果的な時期、場所、規模で共同訓練を実施することは、日米間での一致した意思や能力を示すことにもなり、抑止の機能を果たすことになる。これらの観点を踏まえ、防衛省・自衛隊は、引き続き共同訓練の内容の充実に努めているところである。
参照 資料26

キーン・ソード13において編隊飛行する空自機と米海軍機
キーン・ソード13において編隊飛行する空自機と米海軍機
海自隊員と米海軍兵士との共同訓練後の艦上での集合写真
海自隊員と米海軍兵士との共同訓練後の艦上での集合写真
日米共同方面隊指揮所演習
日米共同方面隊指揮所演習
 
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