第II部 わが国の防衛政策と日米安保体制
第4節 防衛関係費〈11年ぶりの増額〉
1 防衛関係費とその推移

防衛関係費は、自衛隊の維持運営経費のほか、防衛施設周辺の生活環境の整備、在日米軍駐留支援などに必要な経費を含んでいる。
平成25年度においては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命・財産とわが国の領土・領海・領空を守る態勢を強化するため、平成15年度から減少を続けていた防衛関係費を実質11年ぶりに増額する内容となっている。
なお、SACO関係費および米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分を含めて比較すると、前年度と比べて400億円増額の4兆7,538億円となる。上記額から、SACO関係経費および米軍再編関連経費のうち地元負担軽減分を除くと、前年度と比べて351億円増額の4兆6,804億円となる。
これは、前述した「平成25年度の防衛予算の編成の準拠となるべき方針」において
○ 北朝鮮が引き続き核・弾道ミサイルの開発を推進し、地域の重大な不安定要因であり続けているほか、周辺国による軍事力の近代化および軍事的活動の活発化が継続していること
○ 最近の中国による領海侵入および領空侵犯を含むわが国周辺海空域における活動の活発化については十分に考慮する必要があること
○ 東日本大震災という未曾有の大災害の経験により、大規模災害に対する備えの重要性が改めて認識されていること
などを踏まえ、各種事態に対応する装備品の即応性向上のための維持修理費の増額など、防衛省・自衛隊が国民から期待される役割を果たす上で必要な事業と、このための所要額を確保したものである。
(図表II-2-4-1・2参照)

図表II-2-4-1 防衛関係費(当初予算)の平成24年度と平成25年度の比較
図表II-2-4-2 過去15年間の防衛関係費(当初予算)の推移

このほか、東日本大震災からの復旧・復興のため、被災した自衛隊施設や装備品の復旧にかかる経費などとして、平成25年度一般会計とは別途、東日本大震災復興特別会計に1,252億円を計上している。
また、平成25年度予算と一体として編成することとされた平成24年度補正予算には、部隊などの通信機能強化、各種事態への対処拠点となる駐屯地・基地などの整備、輸送・偵察機能や隊員の活動を支える装備品の更新・近代化、変化する安全保障環境への適応など緊急経済対策に関する1,805億円をはじめとして、2,124億円を計上している。

 
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