第I部 わが国を取り巻く安全保障環境
4 海外における活動

オーストラリアは、13(同25)年5月現在、約5万7,000人の現有兵力1のうち、約2,500人を海外に派遣している。
オーストラリアは、01(同13)年の9.11テロに際し、米豪同盟のもとで、いち早く米国への支持を表明し、同年10月にはアフガニスタンへ部隊を派遣した。アフガニスタンでは、約1,550人の豪軍が国際治安支援部隊(ISAF:International Security Assistance Force)のもとで復興支援活動やアフガニスタン治安部隊の訓練などに従事している2
オーストラリアは、東ティモールにおいて独立の機運が高まった99(同11)年以来、東ティモールの政治的、社会的安定のために積極的な支援を行っている。豪軍は、06(同18)年以降、国際治安部隊(ISF:International Stabilisation Force)3を主導してきたが、東ティモールの治安情勢が安定したことから、13(同25)年3月に撤収を完了した。
オーストラリアは、ソロモン諸島においても、同国の安定と発展のために積極的な関与を行っている。03(同15)年7月からは、オーストラリアをはじめ15か国がソロモン諸島に対する地域支援活動(RAMSI:Regional Assistance Mission to Solomon Islands)4を通じた支援を行っている。豪軍は、同活動に約80人の要員を派遣しているが、軍事部門の活動終了にともない、13(同25)年後半に撤収を開始する予定である。

豪軍のアフガニスタンにおける活動風景【豪国防省】
豪軍のアフガニスタンにおける活動風景【豪国防省】

1)「ミリタリーバランス(2013)」による。軍種別の内訳は、陸軍:約2万8,850人、海軍:約1万4,000人、空軍:約1万4,200人
2)アフガニスタン周辺の中東地域においても、約800人の豪軍が同国での任務を支援するために活動している。
3)06(平成18)年4月、東ティモールの首都ディリにおいて反乱兵によるデモが暴徒化、同国政府による要請を受け、オーストラリア、ポルトガル、ニュージーランドの各軍が国際治安部隊を構成した。
4)部族闘争により治安が悪化した同国政府の支援要請を受け、オーストラリアを中心に、南太平洋諸国の参加により開始された。主に警察部隊と軍部隊から構成されており、軍事部門の活動には、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、トンガの各軍が参加している。
 
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