コラム

<解説> C―130Rの整備

海自が保有するYS―11輸送機は、東日本大震災において、被災者への全国からの支援物資などの輸送を全力で行い、その飛行時間が急激に増加した。これにより、運用停止時期が前倒しして到来することとなったため、平成23年度、防衛省では、米海軍が保管するKC―130Rを使用可能な状態に再生し、C―130R(再生機)として6機を緊急に取得して輸送体制の欠落を回避することとした。
C―130R(再生機)は、平素からの運用に必要な飛行性能に加え、大規模災害などにも対応できる高い輸送能力を有している。6機を保有すれば、被災した空港の復旧に必要な海自の機動施設隊を搭載して被災空港に着陸し、物資の集積拠点を早期に構築することなども可能となる。また、再生機として今後20年以上運用することが可能と見込まれており、取得価格も新造機と比較して安価である。
このように、本件は、再生機の取得という初めてのケースであるばかりでなく、高い輸送能力を優れた費用対効果のもとで整備するものであり、装備品取得の画期的なケースといえる。

KC―130R
KC―130R
輸送能力の比較
輸送能力の比較
 
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