防衛省・自衛隊の様々な活動は、防衛省・自衛隊のみですべてを行えるものではない。国民一人ひとり、そして、地方公共団体などの理解と協力があってはじめて可能となる。また、防衛省・自衛隊は、民生支援として様々な協力活動を行うとともに、防衛施設1の設置・運用が周辺住民の生活に及ぼす影響をできる限り少なくするよう努めている。こうした活動は、地域社会・国民と自衛隊相互の信頼をより一層深め、「社会的基盤」の充実・強化に寄与している。
本節では、このような観点から防衛省・自衛隊と地域社会・国民とのかかわりや国民の理解と協力を得るべく防衛省・自衛隊が行っている活動・施策について説明する。
自衛隊は、地方公共団体や関係機関などからの依頼に基づき、国民とかかわる様々な分野で、民生支援活動を行っている。これらの活動は、国民と自衛隊相互の信頼をより一層深めるものでもあり、隊員に日頃から国民生活に役立っているという誇りと自信を与えている。
参照 資料76、77
陸自は、今日なお、全国各地で発見されている不発弾の処理にあたっている。平成23年度の処理実績は、件数1,578件、重量にして約38トンである。特に、沖縄県での処理量が全体の約60%を占めている。さらに、海自も今日まで機雷および爆発性危険物の除去や処理を継続的に行っている。平成23年度の処分実績は約2,900個、重量にして約24.7トンであった。また、全国の駐屯地や基地の多くでは、地方公共団体からの要請や、近隣住民からの声に応えて、部隊活動に支障のない範囲で施設を開放し、地域活動の活性化にも貢献している。さらに、音楽隊が各地の学校を訪問し、吹奏楽部員などに対する演奏指導を行うなど、地域住民との交流に努めている。
自衛隊は、災害派遣活動の中で民生支援として、給水活動や入浴支援などを行うとともに、音楽隊の慰問演奏や、派遣隊員が避難所を訪れ子供たちと交流を行うなど、被災地の住民に対して物心両面での支援活動を行った。また、撤収後も、一部の部隊では、被災地の住民との間で交流が継続している。
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