第II部 わが国の防衛政策の基本と動的防衛力
第4節 防衛関係費
1 防衛関係費とその推移

防衛関係費は、自衛隊の維持運営経費のほか、防衛施設周辺の生活環境の整備、在日米軍駐留支援などに必要な経費を含んでいる。
平成24年度防衛関係費については、格段に厳しさを増す財政事情のもと、歳出予算でSACO1関係経費と米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分を除き、前年度と比べて172億円(0.4%)減額2の4兆6,453億円と10年連続のマイナスとなったが、自衛隊の活動経費(一般物件費)は前年度と比べて49億円の増額となっており、真に必要な機能に資源を選択的に集中し、防衛省・自衛隊が国民から期待される役割を果たす上で必要な経費は確保している。
なお、平成24年度一般会計では、SACO関係経費として前年度から15億円(14.7%)減額の86億円、米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分として前年度から427億円(41.6%)減額の599億円が措置されており、これを含めた防衛関係費の総額は、前年度と比べて614億円(1.3%)減額の4兆7,138億円となる。
(図表II―3―4―1・2参照)

図表II―3―4―1 防衛関係費(当初予算)の平成23年度と平成24年度の比較
図表II―3―4―2 過去10年の防衛関係費(当初予算)の推移

この他、東日本大震災からの復旧・復興のための経費として、平成23年度補正予算による措置を行ったほか、平成24年度予算において、必要な経費を計上している。具体的には、自衛隊が災害派遣活動を効果的に行うとともに、被災した自衛隊施設や装備品などを復旧するために必要な経費として、平成23年度第1次補正予算では1,886億円3、平成23年度第3次補正予算では1,616億円を計上している。加えて、平成24年度予算では1,136億円を計上している。この1,136億円は、平成24年度一般会計とは別途、東日本大震災復興特別会計に計上しており、平成24年度一般会計(SACO・再編関連経費を除く)にこれを加えた防衛関係費の総額は4兆7,589億円(対前年度964億円、2.1%増)となる。
また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動などに対応するために追加的に必要となる燃料費や南スーダンPKOへの自衛隊派遣にあたり必要となる人員・物資などの輸送などに必要な経費として、平成23年度第4次補正予算では281億円を計上している。


1)III部2章3節1参照
2)「人件・糧食費」(後述)が対前年度比で減少しているという側面が大きい。
3)平成23年度第3次補正予算において修正し、294億円減少させている。
 
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