第II部 わが国の防衛政策の基本と動的防衛力
2 具体的な検討
1 検討の枠組

「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」における検討は、防衛省内に設置された既存の「人的基盤に関する改革委員会」、「総合取得改革推進プロジェクトチーム」および「防衛省改革推進会議」における検討、さらに11(平成23)年2月に新たに設置された「衛生機能の強化に関する検討委員会」および12(同24)年5月に新たに設置された「サイバー攻撃対処委員会」における検討と密接に連携して行っている。枠組の全体像は、図表II―3―2―1のとおりである。

図表II―3―2―1 防衛力の実効性向上のための構造改革の推進の枠組
2 検討事項

具体的な検討事項は、次のとおりである。

(1) 統合による機能の強化・部隊などのあり方の検討
統合運用に係る体制の強化のため、統合幕僚監部に「運用部副部長」を新設するなど指揮統制機能の強化について検討を行うとともに、島嶼部を念頭においた部隊の機動展開、衛生、情報収集・警戒監視・偵察活動(ISR)および防空態勢・高射などの機能強化について、統合的な観点から検討する。
(2) 横断的な視点による資源配分の一元化・最適化の検討
自衛隊の現有能力を把握し、横断的な視点で効果的に資源配分をなし得るような事業管理、予算配分、研究開発の仕組みならびに後方業務および情報通信ネットワークなどの一元化・最適化のための仕組みの構築について検討する。
(3) 人的基盤に関する抜本的な制度改革の推進
精強性を向上させるため、自衛官の階級別定数管理などを確立し、士の増勢など各自衛隊の特性に応じた階級・年齢構成の見直し、新たな任用制度、幹部・准曹・士の各階層の活性化のための施策、早期退職制度、募集・再就職援護に関する施策などについて検討する。
(4) 総合取得改革の推進
防衛生産・技術基盤の戦略策定、装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策の検討、装備取得に関する契約制度、維持整備方式の改善などの総合取得改革を推進する。
(5) 衛生機能の強化
自衛隊病院の拠点化・高機能化、防医大・防医大病院の機能強化、医官教育の強化などの各種の衛生施策について検討する。
(6) サイバー攻撃対処
サイバー攻撃などへの対処に関する政策的取組、サイバー防護専門部隊の新編、サイバー攻撃対処関連事業などについて検討する。

 
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