ダイジェスト 

第III部 わが国の防衛に関する諸施策

わが国の安全保障の目的を達成するための根幹となるのは自らが行う努力である。このため、国として統合的かつ戦略的なさまざまな取組を実施するとともに、防衛省・自衛隊としても、各種事態の発生時における自衛隊の運用はもちろんのこと、対処能力の向上をはじめとする各種施策を平素から実施している。

周辺海空域の安全確保
 
警戒監視活動中のP-3C
警戒監視活動中のP-3C
 
ダイジェスト 全国的な警戒監視態勢(陸・海・空自)
 
ダイジェスト 22年度の緊急発進の対象となった飛行パターン例

島嶼部に対する攻撃への対応
 
米海兵隊との実動訓練に参加する西方普通科連隊の隊員
米海兵隊との実動訓練に参加する西方普通科連隊の隊員

サイバー攻撃への対応
 
ダイジェスト サイバー攻撃対処に係る施策

大規模・特殊災害などへの対応

*「東日本大震災への対応」参照
 
ダイジェスト 首都直下型震災発生の際の対処(一例)

海賊対処への取組
 
護衛する船団の周囲を監視する隊員
護衛する船団の周囲を監視する隊員

日米安保体制は、わが国防衛の柱の一つであり、また、アジア太平洋地域の平和と安定のために不  可欠な基礎をなすものである。さらに、日米間の緊密な協力関係は、多国間の安全保障協力やグローバルな安全保障課題への対応をわが国が効果的に進める上で重要な役割を果たしている。新防衛大綱においても、日米同盟を新たな安全保障環境にふさわしい形で深化・発展させていくとされている。

日米安全保障体制の意義
 
日米首脳会談〔内閣広報室〕
日米首脳会談〔内閣広報室〕

在沖縄米軍の意義・役割
 
ダイジェスト (在沖縄米軍の意義・役割)

日米共同訓練
 
編隊飛行中の日米の航空機
編隊飛行中の日米の航空機
 
米空母へ着艦進入中の海自ヘリ
米空母へ着艦進入中の海自ヘリ
 
演習場において調整する日米の隊員
演習場において調整する日米の隊員

日米安全保障協議委員会(「2+2」)
 
「2+2」共同発表

「トモダチ作戦」(詳細は特集「東日本大震災への対応」に掲載)
 
米側から寄せ書きの贈呈
米側から寄せ書きの贈呈
 
泥の除去作業
泥の除去作業

わが国にとって、アジア太平洋地域の平和と安定の確保のためには、日米同盟を基軸としつつ、この地域における多国間および二国間の対話・交流・協力の枠組を多層的に強化していくことが重要である。また、わが国にとって、グローバルな安全保障環境の改善のためには、軍事面のみならず、さまざまな分野における活動に、国際社会と一致・協力して取り組むことが重要である。

アジア太平洋地域における多国間安全保障協力・対話の推進
アジア太平洋地域における多国間の安全保障面での取組は、信頼醸成を主眼とした対話の段階から、域内秩序の形成や共通規範の構築といった具体的な協力の段階に移行しつつある。

拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)
 
ハノイ共同宣言への署名の様子
ハノイ共同宣言への署名の様子

シャングリラ会合
 
シャングリラ会合においてスピーチする北澤防衛大臣
シャングリラ会合においてスピーチする北澤防衛大臣

各国との防衛協力・交流の推進
二国間では、親善目的のみならず実務的な性格を有する交流や、対話のみならず行動をともなう交流の重要性が高まり、相手国によっては、単なる交流から防衛協力を行う段階へと発展・深化してきている。
 
折木統合幕僚長とアンガス・ヒューストン豪国防軍司令官
折木統合幕僚長とアンガス・ヒューストン豪国防軍司令官
 
日韓防衛相会談(ソウル)に際し儀じょうを受ける北澤防衛大臣
日韓防衛相会談(ソウル)に際し儀じょうを受ける北澤防衛大臣

国際平和協力活動への取組
国際平和協力活動に積極的に取り組むことは、わが国を含む国際社会の平和と安全の維持に貢献するだけでなく、 諸外国などに自衛隊の能力を示す機会にもなり、わが国に対する信頼性の向上にもつながる。

国連平和維持活動
 
国連東ティモール統合ミッション
国連東ティモール統合ミッション
 
国連ハイチ安定化ミッション
国連ハイチ安定化ミッション
 
国連スーダン・ミッション
国連スーダン・ミッション

国際緊急援助活動
 
パキスタン国際緊急援助活動
パキスタン国際緊急援助活動

防衛省・自衛隊はさまざまな組織で構成されているが、その組織が機能を十分に発揮するた  めには、優れた能力を持つ隊員と最先端の装備品やシステムが一体となって機能することはもちろんのこと、これらの装備品やシステムを生み出す技術力、生産力などが盤石であり、かつ防衛省・自衛隊の取組に対する国民や地域社会の理解と協力を得ることが必要不可欠である。

人的基盤に関する改革
 

防衛大学校改革
 

防衛大学校改革に関する検討委員会報告書のポイント
(1) 新たな防衛大学校の役割  自衛隊を巡る新たな環境のもとで必要な幹部自衛官の資質も変化。防大教育は新たな時代の要請に応えるべく、建学以来の伝統の上に改良を行うことが必要。このため、新たな役割を以下のように整理。
  1. 「知」「徳」「体」のバランスの良い発展を目指す教育、「廉恥・真勇・礼節」の学生綱領の実践は不変
  2. 幅広い任務をグローバルな環境下で遂行するのに不可欠な柔軟な思考力・知的基盤の涵養
  3. 公開講座や講演、出版などを通じた安全保障に関する知識の社会的発信
  4. 地域の誇りとして認識され、その理解のもと、高等教育機関・研究機関としての役割を果たしていくための地域社会との連携
(2) 教育理念の明示  防大は、上記の役割を果たし、我が国における防衛・安全保障分野の第一級の高等教育・研究機関として発展していくことが必要。このため「建学の精神」に立ち返りつつ、新たな時代の要請に応えていくために教育理念を整理。 
  1. 我が国の平和と独立を守り、国際社会の安定に寄与する自衛隊のリーダーを養成する。
  2. 「真の紳士淑女にして、真の武人」というように、リーダーに相応しい豊かな人間性をかん養する。「廉恥・真勇・礼節」の学生綱領をその中軸とする。
  3. 伸展性のある知・徳・体のバランスのとれた基盤的素養を養う。広い視野と科学的思考力を特に重視する。
  4. 国際社会の中での日本の防衛力を担う強い志と使命感を確立し、幹部自衛官として必要な基本的識能を身につける。
(3) 人材確保のための施策
  1. 入試制度改革
     ・AO(アドミッション・オフィス)方式による総合選抜入試を導入。また、現行一般入試に加え、2月から3月にかけて実施する新型一般入試を平成24年度試験から導入。
     ・平成24年度試験より、一般入試の一次試験(現在11月に実施)を可能な限り後ろ倒しして実施するほか、平成23年度試験より、面接を重視し、資質・入校意欲を従来以上に考慮。
  2. 多様な人材の確保
      理工系の人材を確保するため、高等専門学校の卒業生を、一般教育に関しては理系の3学年相当程度に編入させる施策を検討。
(4) 教育訓練、研究の充実   ・基礎学力と基礎体力の指導を強化し、資質人格教育を充実。防衛・安全保障に関する教育研究成果を発信。   ・外国語教育を強化し、外国士官学校交流を強化。また、女子学生に配慮した訓練管理の実施等、訓練の充実・改善を実施。   ・防衛医科大学校第1学年に対し、リーダーシップ教育として防衛大学校において約1か月間教育を実施。 (5) 防衛大学校の運営、態勢などの改革   ・教務・訓練などの部内を横断する機能を強化するほか、教授などの任期付き採用や客員教授の任用拡大を実施。   ・一般の大学生との公平の観点から、任官辞退者からの償還制度を導入するとともに、学位審査手数料を学生の負担とするほか、入学試験の手数料徴収を検討する。

防衛生産・技術基盤の維持・育成
 
 
 

総合取得改革の推進
 

地域社会とのかかわり
 
 


 

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