コラム 

<こどもQ&A>
Q:私はパイロットになりたいです。どんなくんれんをしているのですか?どんな飛行機をそうじゅうできるのですか?
岐阜県 小学4年生 女子

A:航空救難団救難教育隊 3等空佐 木之下 麻奈美(きのした まなみ)
 
U-125A操縦席の筆者
U-125A操縦席の筆者

航空自衛隊(空自)の女性パイロットは、輸送機(C-1、C-130H、CH-47J)、多用途支援機(U-4)、空中給油・輸送機(KC-767)、および救難捜索機(U-125A)を保有する部隊に主に配置され、男性パイロットとともに、全国各地の空で活躍しています。
パイロットになるには、体力と気力と知力のすべてを必要とするので、「パイロットになりたい」という気持ちを持ち続けることが何よりも大事です。パイロットになるためのコースでは、体育訓練を通じて体力と気力を養い、加えて航空機に関する専門的知識を身につけます。そして、実際に練習機(T-7、T-400)を操縦し、操縦技量と判断力を向上させていきます。約2年間の操縦訓練を経て、晴れてパイロットの証である「ウィング・マーク」を授与されます。その後、輸送機部隊や救難機部隊で、一人前のパイロットとして実際の任務で活躍できるよう、日々訓練を行います。ちなみに、国外で活躍するためには英語の勉強も必要ですよ。
一人前のパイロットになると、各部隊で基本的な操縦訓練(離陸、着陸や急旋回、上昇、降下をともなう訓練など)の他に、各部隊の任務に応じた訓練を行います。
私はU-125Aのパイロットですが、救難機部隊には、捜索(遭難した人を捜す)、救出(遭難した人を助ける)と支援(遭難した人を救出するまでの間、必要な医薬品や食料を航空機から投下するなど)などの任務があります。そのため、山や海に訓練用の人形などを「遭難した人」と見立てて設置し、捜索・救出訓練などを行うことで、常に技量の維持や向上に努め、実際の任務の際にいつでも実力を発揮できるよう日夜訓練を行っています。
いつの日か、空の上で、パイロットを目指す女性の皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
 
救難捜索機(U-125A)
救難捜索機(U-125A)

 

前の項目に戻る     次の項目に進む