災害派遣時の野外炊飯
さらに、通信隊は通信インフラの維持を、管理隊は物品などの輸送や基地の警備を、衛生隊は隊員の健康の維持・管理を、会計隊は契約や給与業務などを担っており、航空防衛力をさまざまな面で支えている。
東日本大震災に際しては、被害を受けた松島基地が、地震発生からわずか4日後には最低限の基地機能を回復し、空輸される救援物資の集積拠点としての役割などを果たしたが、これは有事に備え有していた基地機能を維持する能力を活用したからこそといえる。また、被災地に近い分屯基地では、部隊の野外給食能力を活用し、昼夜を問わず継続して被災者などに食事を提供したが、これも部隊が給食能力を自己完結的に保有し、事態に対応できる態勢を整えていたからである。
このように航空防衛力を発揮する上で重要な役割を果たす基地機能を自己完結的に保持しつつ、新防衛大綱に示されているように、民間活力の有効活用などにより業務の質の向上を図るとともに合理化・効率化を推進しながら、あらゆる事態に即応し、かつ、継続的に航空防衛力を発揮できる態勢を整えていく。