第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(こどもQ&A)日本近海に1万個以上の機雷があったと書いてありましたが全て回収・除去しきれたのですか?
 
子供からの質問
Q:
日本近海に1万個以上の機雷があったと書いてありましたが全て回収・除去しきれたのですか?

(神奈川県 高校生 男子)

A:掃海隊群司令部掃海幕僚 
3等海佐 加藤 知明(かとう ともあき)
 
加藤知明

 第2次世界大戦中、日本近海には約1万700個の機雷が敷設されました。そのため、機雷に接触して沈没するなどの船舶の被害が増大し、日本の周りの海上交通は麻痺状態となりました。
 戦後、機雷の除去がわが国復興上の急務とされ、昭和20年から航路啓開業務として機雷の除去作業が実施されました。航路啓開業務は、昭和60年で終了しましたが、その後も港湾の浚渫作業時などに機雷が発見されており、その際には機雷の除去・処分を実施しています。
 機雷は安価でありながら破壊力が大きく、武器としての費用対効果が高いことから、現在でも多くの国々が保有しています。平成3年には、湾岸戦争時にイラクが敷設した機雷を除去・処分するため、ペルシャ湾に掃海部隊を派遣し、自衛隊の海外派遣活動の先駆けとして国際貢献を果たしました。
 掃海部隊は、機雷のほかにも海で発見された砲弾などの除去・処分を実施し海上交通の安全確保に寄与するとともに、災害派遣においても給水や物資輸送などで活躍しています。
 
給水支援を行う掃海艇

 

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