2 新政権としての改革の指針の策定
有識者との懇談会における議論などを踏まえ、新政権として取り組むべき防衛省改革の方針を示す防衛大臣指示(「検討の柱」)を策定した。今後はそれに従って、全省的な推進体制で検討を深めていくこととしている。
「検討の柱」の概要は以下のとおりである。
新政権として防衛省改革を推進するにあたっては、不祥事案の再発防止の観点は当然のこととし、それにとどまらず、シビリアン・コントロールの実効性を確保しつつ、防衛省を取り巻く環境に対応して防衛行政を効果的・効率的に推進するとの観点から改革を進めていく。
(1)中央組織改革
シビリアン・コントロールは防衛政策の根幹であり、これを確保するためには、その主体であり政治家たる防衛大臣に対する、文官および自衛官各々の専門性を十分に生かした補佐体制が必須。このため、内部部局が省としての意見集約を図る一方で、防衛大臣が文官および自衛官各々の専門性を生かした組織的意見を聴くことができる仕組みは妥当なものであると考える。このような観点から、運用部門や防衛力整備部門における内部部局および幕僚監部への一元化や文官と自衛官の混合化について再検討する。
他方、内部部局および幕僚監部という二元的組織構造に由来する不具合の是正のための検討を行う。運用部門においては、内部部局と統合幕僚監部の業務の重複を避け、文官と自衛官の協働を確保しつつ意思決定の迅速化を図るため、事態ごとのシミュレーションを行いながら、業務のあり方について検討する。また、防衛力整備部門においては、予算配分の硬直化を避け防衛力整備の効率化を図ることも視野に入れつつ、真に実効的な防衛力を構築するための業務のあり方について検討する。
(2)取得改革
契約における公正性・透明性の確保に十分留意するとともに、それにとどまらず装備品の維持・整備分野における改革や防衛産業・技術基盤の確保なども含め、総合的に検討する。
(3)人材の確保・育成
優秀な隊員を確保するとともに、倫理マインドと幅広い視野を持ちつつ高い規律を保持した隊員を育成するための施策を検討する。
(4)これまで実施してきた不祥事案の再発防止策の取扱い
改革会議の報告書に基づき実施してきた不祥事案の再発防止策については、引き続き実施することとするが、最近の防衛省・自衛隊における不祥事案も踏まえ、さらなる対策が必要か否かについて検討する。
参照 資料87