参照 資料82
(1)環境整備法の施策の見直し
環境整備法は、前述したような自衛隊や米軍の行為あるいは飛行場をはじめとする防衛施設の設置・運用による航空機騒音などの障害について、これを放置し、防衛施設の周辺地域の住民にのみ不利益を受忍させることは公平に反するとの観点や、関係地方公共団体などから、こうした障害に対し十分な施策を講じるよう強く要望されたことなどを踏まえ、74(同49)年6月に制定されたものである。防衛省は同法に基づき、こうした障害の防止、軽減、緩和などの措置を講じてきた。
参照 資料83
しかしながら、環境整備法の施行から30年以上経過し、社会情勢の変化や国民の生活式ないし価値観の多様化などを背景として、関係地方公共団体などからは、同法に基づく特定防衛施設周辺整備調整交付金や民生安定施設の助成などについて、より幅の広い弾力的な運用ができるように現行制度の見直しを要望されるとともに、住宅防音工事の充実などについて要望されるようになった。
他方、09(平成21)年11月の行政刷新会議においても、特定防衛施設周辺整備調整交付金や民生安定施設の助成について「使途をより自由にして、地域が自由に使いやすくすることで効果を高めるよう見直しを行う」旨の指摘がなされ、また、住宅防音工事について、できる限り優先して実施すべきとの指摘がなされた。
このような状況の中、防衛省として、まずは環境整備法に基づく特定防衛施設周辺整備調整交付金について、従来の公共用の施設の整備に加え、医療費の助成などのいわゆるソフト事業への交付が可能となるよう現行制度を見直し、関係地方公共団体にとってより使い勝手のよい、より効果的な措置とするため、10(同22)年2月、同法の一部改正法案を第174回国会に提出した。
(図表III-4-3-4 参照)