7 今後の装備品などの取得と防衛生産・技術基盤のあり方について
防衛省では、装備品の取得に際しては、性能・価格面に加え、維持・補給・教育訓練の容易性やわが国独自の改善の必要性なども考慮した上で、費用対効果に関する検討に基づき、国内開発、ライセンス国産、輸入といった取得方法を適切に判断してきたところである。しかしながら、厳しい財政事情や装備品の高価格化を踏まえると、今後、取得数量の大幅な増加は見込めない中で、費用対効果の点で優れた装備品を取得し、防衛生産・技術基盤の充実・強化を図るためには、LCC管理といった施策などを活用してコストの抑制や効率的な取得を進めるとともに、「選択と集中」の考え方に基づき、安全保障の観点から重点を置いて育成・維持すべき防衛生産・技術基盤の明確化を図り、あわせてコスト抑制の努力を行った者が報われるような契約制度の構築なども含めた防衛市場の魅力向上に努めることが不可欠である。
このような問題意識のもと、10(同22)6月から「契約制度研究会」
1を開催し、防衛省と企業との間の契約の制度的側面や装備品などの調達にかかる各種の制度について、会計、流通・マーケティング、企業法務、公共調達など間口の広い観点から部外有識者が参画し、新たな施策を打ち出していけるよう、精力的に検討を行っている。
また、上述のような取組に加えて、個別の装備品取得の最適な選択肢を追求していく過程で、省内の装備品取得にかかわる部署が、各プロジェクトの構想段階から研究開発、量産、維持運用などの各段階を通じてIPT(Integrated Project Team)方式による組織横断的な枠組の中で、緊密に調整を図ることで、さらなる効果が期待される。こうした取組の推進は、個別装備品の費用対効果を最大化させ、ひいては全体の資源配分の最適化にも大きく寄与するものと考えている。
参照 資料79