第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

4 民生分野との関係強化

 防衛省における研究開発については、防衛大綱において、「産学官の優れた技術の積極的導入」に努めることとされている。
 技術研究本部においては、民間における優れた技術の調査・導入の推進のため、要素技術研究に関するテーマを選定し、企業のみならず、各種の研究機関に対しても幅広く公募する調査研究事業を導入している。また、国内諸機関との技術交流として、宇宙航空研究開発機構、情報処理推進機構、海上技術安全研究所などとの間で技術情報の交換などを行っている。こうした事業を活用することにより、研究機関や企業からも、優れた技術を幅広く導入することを目指している。
 また、民生技術の取り込みとともに、防衛省の研究開発の成果を民間に波及させることも重要である。開発担当企業が検討している自衛隊機として開発された航空機の民間転用については、防衛生産・技術基盤の維持・強化につながるのみならず、自衛隊機の調達価格の低減も期待できることなどから、防衛省としては、関係省庁とも連携・協力し、検討を進めている。10(同22)年4月には、有識者を含めた「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」を設置し、5回の会議と意見公募手続(パブリック・コメント)を経て、同年8月に民間転用の具体的な制度設計に向けて、民間転用を実施する企業による国への利用料の支払のあり方や防衛省が保有する技術資料の開示・使用などに関する指針を取りまとめた1


 
1)「防衛省開発航空機の民間転用に関する検討会」の取りまとめについては、
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/kaihatsukokuki/houkoku/houkoku.html>を参照。


 

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