7 アフリカのPKOセンターへの講師派遣
08(同20)年6月、内閣総理大臣と国連事務総長との共同記者会見において、自衛官講師の派遣を含め、アフリカPKOセンターの能力強化に取り組む旨が表明されたことを受け、自衛隊は、同年11月21日から30日までの間、エジプトPKOセンターであるアフリカ紛争解決平和維持訓練カイロ地域センター(CCCPA:Cairo Regional Center for Training on Conflict Resolution and Peacekeeping in Africa)に陸上自衛官2名を講師として派遣した。この派遣は、平和維持活動へのアフリカ諸国の自助努力に対する支援であり、PKO要員の教育訓練を行う外国の機関に初めて自衛官を講師として派遣したものであった。派遣自衛官は、国際平和協力活動の現場における現地住民との関係構築の重要性について講義を行った。具体的には、イラクにおける人道復興支援活動での経験や国内外の災害救援活動を通じて得た教訓に基づく具体的な事例研究を講義に取り入れるなど、いわゆる軍民協力にかかわる知識を有していない受講者にとっても理解が容易となるよう努めた点に関し、CCCPA関係者や受講者から高い評価を受けた。
このような評価も背景に、09(同21)年5月には再び講師派遣の要請があり、同月22日から6月6日までの間、CCCPAに陸上自衛官1名を講師として派遣したほか、同年8月28日から9月5日までの間、マリにあるバマコ平和維持学校にも陸上自衛官2名を派遣した。10(同22)年4月にはCCCPAから通算3度目となる講師派遣要請を受け、同月11日から16日までの間、初の女性自衛官1名を派遣した。7月にはバマコ平和維持学校から通算2度目となる講師派遣要請を受け、8月14日から同月30日までの間、陸上自衛官1名を派遣した。これらの陸上自衛官は、アフリカ諸国の軍人・文民などが参加する平和維持活動にかかわる机上演習に教官として参加したほか、わが国が参加したさまざまな国連平和維持活動やイラクにおける人道復興支援活動を通じて得た軍民協力にかかわる教訓事項について指導、助言などを行った。