第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

6 国連東ティモール統合ミッションへの派遣に向けた検討

(1)検討の経緯など
 東ティモールにおいては、独立をめぐって紛争が続いていたが、99(同11)年4月に和平合意が成立して以降、累次の国連ミッションが設立され、02(同14)年5月には同国は独立を果たした。しかしながら、06(同18)年に治安が悪化したことを受け、治安の維持・回復などを目的として同年8月、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT:United Nations Integrated Mission in Timor-Leste)が設立された。UNMIT設立後、07(同19)年4月に大統領選挙、同年5月に大統領選挙決選投票、同年6月に国民議会選挙が行われた。08(同20)年2月に武装グループによる大統領襲撃事件があったものの、これ以降、治安状況は改善しつつあり、逐次、東ティモール警察に警察権限が移譲されるなど、UNMITは着実に東ティモールの安定に貢献する成果を上げている。
 10(同22)年3月16日、鳩山内閣総理大臣(当時)は、訪日中のラモス・ホルタ東ティモール大統領と会談し、UNMITへの軍事連絡要員の派遣を前向きに検討する考えを表明した。こうした軍事連絡要員は、非武装で、東ティモールの各地に配置され、東ティモール内の各地の治安状況についての情報収集などにあたっている。現在、関係府省において、本年秋頃を目途としてUNMITへの自衛官派遣に向けて国連その他の関係機関などと調整を進めている。

 

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