第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

4 派遣部隊の福利厚生やメンタルヘルスケア

 国や家族から遠く離れ、困難な勤務環境下において任務を遂行することを求められる派遣隊員が、心身の健康を維持して任務を支障なく遂行できる態勢を整えることは、非常に重要である。
 このため、防衛省・自衛隊は、国際平和協力活動などで海外に派遣される隊員が安心して職務に専念できるよう、隊員と留守家族の精神的不安を緩和する各種施策を行っている。
 具体的には、派遣部隊の福利厚生施策として、隊員と留守家族の絆を維持するため、テレビ電話などにより派遣隊員と家族が直接会話できる手段の確保や、隊員および留守家族間のビデオレターの交換などを行っている。また、隊員の家族に対しては、家族説明会を開催してさまざまな情報を提供するとともに、家族支援センターや家族相談室などを設置して各種相談に応じる態勢をとっている。
 さらに、メンタルヘルスケアの施策も行っており、派遣前の隊員にストレスの軽減に必要な知識を与えるための講習を行うとともに、現地では、カウンセリング教育を受けた隊員を配置するなど、隊員の精神面のケアに十分配慮している。加えて、派遣部隊に医官を配置するとともに、状況に応じて本国からの専門的知識を有する医官などの派遣(メンタルヘルス診療支援チームなど)や帰国治療をさせる態勢を整えている。また、派遣を終えて帰国した後には、臨時の健康診断、メンタルヘルス
チェックを行っている。
 
ハイチから衛星電話をする隊員

 

前の項目に戻る     次の項目に進む