第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

2 在外邦人等の輸送態勢の整備

 防衛大臣は、外国での災害、騒乱、その他の緊急事態に際し、外務大臣から依頼があった場合、協議をした上で、在外邦人等の輸送を行うことができる。その際は、自衛隊等が、派遣先国の空港・港湾などで、在外公館から在外邦人を引き継ぎ、航空機・船舶まで安全に誘導することとなる。このため、陸自ではヘリコプター隊と誘導隊4の要員を、海自は輸送艦をはじめとする艦艇と航空部隊を、空自では輸送機部隊と派遣要員をそれぞれ指定するなど待機態勢を維持している。
 在外邦人等の輸送は、陸・海・空自が緊密に連携して行うこととなり、統合調整が必要となることから、輸送機や輸送艦などを用いた統合訓練を行っている。また、防衛省は、毎年タイで行われている多国間共同訓練コブラ・ゴールドにおける在外邦人等の輸送訓練に、現地在留邦人の参加を得て、在タイ日本国大使館職員などとともに参加している。こうした訓練を通じ、外務省との連携要領や海外における自衛隊の活動要領への習熟を深め、任務遂行のための能力向上に努めている。
 なお、在外邦人等の輸送は、07(同19)年1月、本来任務と位置づけられた。


 
4)輸送部隊(自衛隊の航空機・艦艇)とともに派遣され、現地において在外邦人などの誘導・防護にあたる臨時に編成される部隊。


 

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