第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

3 島嶼部に対する侵略への対応

 16大綱では、奥行きに乏しく長い海岸線と多くの島嶼(とうしょ)が存在するわが国の地理的特性について、安全保障上の脆弱(ぜいじゃく)性と位置づけている。中でも、多くの島嶼が存在するという特性からは、わが国に対する武力攻撃の形態の一つとして島嶼部に対する侵略が想定される。
 島嶼部に対する侵略への対応は、自衛隊が平素から行っている警戒監視や情報収集などにより、兆候を早期に察知することが重要である。この対応については、陸上の防衛のための作戦との共通点が多く、事前に兆候を得た場合には敵の部隊などによる侵略を阻止するための作戦を行い、また、事前に兆候が得られず島嶼を占領された場合にはこれを奪回するための作戦を行う。
 自衛隊は、こうした作戦を行う場合、統合運用による部隊の機動的な輸送・展開などにより、部隊を迅速に集中して、敵の部隊などを阻止・撃破する。
 
戦車を揚陸するエアクッション艇

 

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