2 16大綱の基本的な考え方
1 2つの目標、3つのアプローチ
わが国の安全保障の目的は、わが国の平和、安全および独立と領土・領海・領空(領域)が守られ、自由と民主主義を基調とする国家体制が維持され、国民の生命、財産などが保護されることである。
また、国際社会における協調・協力を重視する動きが定着しており、わが国として、自国の立場にふさわしい役割を果たし、国際社会から信頼を得るとの観点からも、わが国の平和と独立の前提となる国際社会の平和と安定のため、わが国として主体的・積極的に取り組む必要がある。
その際、今日の安全保障上の脅威が予測困難で複雑かつ多様であるため、政府として、平素からの外交努力の推進や防衛力の効果的な運用に加え、治安、経済、情報などの安全保障関連諸施策の有機的な連携による迅速かつ的確な対応を行うとともに、日米安全保障体制(日米安保体制)を基調とする米国との協力、関係諸国や国際連合(国連)をはじめとする国際機関などとの協力を図ることが重要である。
こうした認識に立って、16大綱では、
1) わが国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除するとともに、その被害を最小化すること
2) 国際的な安全保障環境を改善し、わが国に脅威が及ばないようにすること
の2つを安全保障の目標として掲げている。
また、これら2つの目標を達成するため、「わが国自身の努力」、「同盟国との協力」および「国際社会との協力」の3つのアプローチを統合的に組み合わせることとしている。
(図表II-2-1-1 参照)