3 わが国の周辺における活動
地上軍については、わが国に近接した地域における演習はピーク時に比べ大幅に減少しているが、一部に活動活発化の傾向もみられる
5。
艦艇については、近年、太平洋艦隊配備艦艇による長期航海を伴う共同訓練や海賊対処活動が行われ、原子力潜水艦のパトロールが行われるなど、活動に活発化の傾向がみられる
6。
航空機については、07(同19)年における戦略航空部隊による哨戒活動の再開以来、長距離爆撃機による飛行が活発化し、空中給油を受けた長距離爆撃機Tu-95MSやTu-160の飛行も行われている。また、燃料事情の好転などから、パイロットの訓練時間も増加傾向にあり、わが国への近接飛行や演習・訓練などの活動に活発化の傾向がみられる
7。
(図表I-2-4-6 参照)
5)シベリア軍管区では、09(平成21)年3月、軍改革に伴う新しい編成の旅団の検証のための演習が行われた。また、ボルドゥイレフ地上軍総司令官(当時)が「新たな姿」の旅団の実験演習を09年に30回行うと発言したとの報道もある(ロシア新聞(09年3月23日))。
6)ロシア海軍艦艇によるわが国の国際三海峡(宗谷、津軽、対馬)の通峡を確認し、公表した件数は、平成21年度について、宗谷海峡3件(平成19年度2件、平成20年度3件)、津軽海峡実績なし(平成19年度実績なし、平成20年度2件)、対馬海峡10件(平成19年度実績なし、平成20年度1件)と、この数年間の中では増加の傾向にある。
7)09(平成21)年10月、11月、10(同22)年1月、3月、4月、5月、6月、7月および8月に長距離爆撃機Tu-95が、10(同22)年6月に長距離爆撃機Tu-160が、また、09(同21)年9月および10月に哨戒機Tu-142がわが国周辺において長距離飛行を行った。