第III部 わが国の防衛のための諸施策 

5 その他の取組

 昨年10月、前航空幕僚長(前空幕長)が、民間企業主催の懸賞論文に応募し、その中で不適切な見解を述べていたことが明らかとなり、防衛省は、空幕長の任を解き、その後退職させた。この事案を踏まえ、防衛省は、関係する幹部職員の処分を行うとともに、以下の再発防止策を講じている。

(1)高級幹部の自覚の徹底
 防衛省としては、幕僚長のような要職にある者については、高級幹部としての職責の重さを認識し、自らの社会的地位を踏まえた適切な言動を行う責任があることを十分に自覚することや、より広い視野を持つべく自ら研鑽(けんさん)に努めることが重要であると考えており、研修の機会を設けるなどの措置をとることにより、こうした自覚を養うように徹底する。

(2)自衛隊員の教育と自己研鑽など
 防衛省は、初級幹部の段階から適切な教育と自己研鑽の機会を付与する必要があるとの観点から、自衛隊における教育について検証を行い、改善に努める。

(3)部外への意見発表手続の明確化など
 前空幕長が部外に対して意見を発表する場合に必要な通報を行っていなかったことを踏まえ、防衛省は、「部外に対する意見発表の際の手続の徹底について(通達)」および「部外に対する意見発表の際の手続きの実施について(通知)」を本年4月から施行し、届出対象、届出内容および届出先の明確化などを図っている。

 

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