1 技術研究本部での研究開発
運用上の要求をこれまで以上に見据えつつ、最新の科学技術を取り込んで研究開発を行うため、新たな研究開発手法を取り入れている
1。本年度から「運用実証型研究」として、部隊と各隊員間のネットワークによる情報共有を可能とする隊員の個人装備を研究試作する。このシステム技術の研究にあたり、操作性の向上や軽量化などに関する使用者の意見を反映するため、部隊の協力やC4I2(Command, Control, Communication, Computer, Intelligence and Interoperability)部隊実験
2を活用して実運用を想定した各種評価データを取得しつつ研究することとしている。
また、統合運用の観点から、戦力のネットワーク化による組織戦闘の実現を図るため、戦闘機搭載用の高機能デジタルデータリンクシステムの開発を行うこととしている。
装備品のライフサイクルを通じた性能、スケジュール、コストの最適化を図る観点では、装備品を創出する構想・研究および開発段階での、性能・コストなどにかかる複数の提案の比較による分析を徹底するとともに、装備品が配備された後も、それをフォローアップして改善などを継続して行うことが効果的であり、研究開発体制への取組として検討を行っている。
1)1)装備品の原型の試作などを行い、それを運用者と見込まれる各自衛隊の評価に供し、じ後の研究開発や調達などに反映していく「運用実証型研究」の導入、2)開発着手時に最終的に達成すべき要求性能を設定せず、着手後においても、要求性能の精度を高めたり、最新の軍事科学技術を取り入れたりすることを可能とする「進化的開発」の導入