第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 自衛隊員の自殺防止への取組

 わが国では、98(同10)年に年間自殺者数が3万人を超え、その後も高い水準で推移しており、深刻な社会問題になっている。自衛隊においても、自衛官の自殺者数は、16年度に94名と過去最多となり、18年度は93名、19年度は83名であり、昨年度は、76名となっている。
 自衛隊員の自殺は、隊員本人および残された御家族にとっても不幸なことであると同時に、有為な隊員を失うことは、極めて残念なことであることから、防衛省としては、03(同15)年7月、防衛庁長官政務官(当時)を本部長とする防衛庁自殺事故防止対策本部(当時)を設置し、自殺防止のため次のような施策を行っているが、引き続き、各種施策の強化に努め、自殺防止に取り組んでいくこととしている。
1) カウンセリング態勢の拡充(部内相談員、部外カウンセラー、メンタルヘルス担当幹部、24時間受付の電話相談窓口)
2) 指揮官が部下隊員の不調に気づくことができるようになるための教育や一般隊員へのメンタルヘルスに関する教育などの啓発教育の強化
3) 春、夏の異動時期に合わせてメンタルヘルス強化期間を設置し、異動など環境の変化をともなう部下隊員に対する心情把握の徹底や、各種参考資料の配布、講演会の実施など

 

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