第III部 わが国の防衛のための諸施策 

5 エジプトのPKOセンターへの講師派遣

 昨年6月の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長との共同記者会見において、福田総理(当時)が、自衛官講師の派遣を含め、アフリカPKOセンターの能力強化に取り組む旨を表明した。これを受け、自衛隊は、昨年11月21日から30日までの間、いわゆるエジプトPKOセンターであるアフリカ紛争解決平和維持訓練カイロ地域センター(CCCPA:Cairo Regional Center for Training on Conflict Resolution and Peacekeeping in Africa)に陸上自衛官2名を講師として派遣した。この派遣は、平和維持活動へのアフリカ諸国の自助努力に対する支援であり、PKO要員の教育訓練を行う外国の機関に初めて自衛官を講師として派遣したものであった。派遣自衛官は、国際平和協力活動の現場における現地住民との関係構築の重要性について講義を行ったが、イラクにおける人道復興支援活動での経験や国内外の災害救援活動を通じて得た教訓に基づく具体的な事例研究を講義に取り入れることなどにより、いわゆる軍民協力にかかる知識を有していない受講者にとっても理解が容易となるよう努めた点に関し、CCCPA関係者や受講者から高い評価を受けた。
 このような評価も背景に、本年5月には再び講師派遣の要請があり、同月22日から6月6日までの間、CCCPAに陸上自衛官1名を講師として派遣した。当該陸上自衛官は、アフリカ諸国の軍人などが参加する平和維持活動にかかる机上演習の教官の1人として、指導、助言などを行った。
 
CCCPA所長から記念品を授与される陸自隊員
 
南アフリカ陸軍准将を指導する陸自隊員

 

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