第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 国際平和協力活動を迅速、的確に行うための平素からの取組

 自衛隊が国際平和協力活動に主体的・積極的に取り組むためには、引き続き、各種体制の整備を進めるなど平素からの取組が重要である。昨年3月には陸自の中央即応集団の隷下に、中央即応連隊を新編し、国際平和協力活動への派遣が決定された場合に、速やかに先遣隊が派遣予定地に展開し、準備を行うことのできる体制を整えた。同年8月から9月にかけ、空自の航空支援集団の参加を得て、国際平和協力活動派遣に関する一連の活動を訓練する中央即応集団演習を行い、即応性の向上を図った。
 自衛隊は、国際平和協力活動のための装備品の改善・充実も進めている。陸自は、防弾ガラスやランフラットタイヤ7などを装備した各種車両や、インフラの未整備な場所でも活動ができるよう大容量発電機などを装備するとともに、多様な環境下での活動を可能とするため、輸送ヘリコプター(CH-47)のエンジン能力向上などを推進している。海自は、海外でのヘリコプター運用の基盤ともなる輸送艦およびヘリコプター搭載護衛艦を装備するとともに、固定翼哨戒機を海外で効果的に運用するための海上航空作戦指揮統制システムの可搬化および機動運用に関する運用研究などを推進している。空自は、多様な環境下で航空機と地上との指揮通信機能を保持するため、航空機用衛星電話などの整備を推進している。これらの装備は、わが国における事態発生時などにも極めて有効である。
 さらに、国際平和協力活動のための教育・研究・広報を行う基盤として、統合幕僚学校に国際平和協力センター(仮称)を新設し、自衛隊員、関係省庁、関係者などに対する国際平和協力に関する教育や、自衛隊の国際平和協力活動への取組状況などの広報を行う予定である。


 
7)被弾などにより空気が抜けても安定走行が可能なタイヤ


 

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