第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 国際的な安全保障環境の改善

 日米安保体制は、防衛面のみならず、政治、経済、社会などの幅広い分野における日米の包括的・総合的な友好協力関係の基礎となっている。日米安保体制を基調とする日米協力関係は、わが国の外交の基軸であり、多国間の安全保障に関する対話・協力の推進や国連の諸活動への協力など、国際社会の平和と安定へのわが国の積極的な取組に資するものである。
 9.11テロ以降、国際テロ活動や大量破壊兵器の拡散など新たな脅威や多様な事態についての関心がより高まっている。このような状況において、日米の緊密な協力関係は、国際社会が安全保障環境を改善するための協調的な取組を効果的に進める上でも重要な役割を果たしている。
 特に、自衛隊と米軍は、日米安保体制の下、平素よりさまざまな面での連携向上に努めている。このような緊密な連携は、各種の国際的な活動において、自衛隊と米軍が協力する上での基盤となっており、その実効性を高めることにもつながっている。
 国際社会の平和と繁栄は、わが国の平和と繁栄と密接に結びついている。したがって、わが国が卓越した国際的な活動能力を有する米国と協力して、国際的な安全保障環境の改善のための取組を進めていくことにより、わが国の平和と繁栄はさらに確かなものとなる。

 

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