2 在外邦人等の輸送態勢の整備
(1)自衛隊法の改正
外国での災害、騒乱、その他の緊急事態に際しての在外邦人等の輸送については、99(同11)年、政府専用機や空自の輸送機に加え、自衛隊の船舶とその船舶に搭載されたヘリコプターが輸送手段として追加され、また、隊員と邦人などの生命や身体を防護するため必要最小限の武器の使用ができるようになり、輸送のための態勢が強化された。なお、在外邦人等の輸送は、07(同19)年1月、本来任務と位置付けられた。
(2)各自衛隊の態勢など
自衛隊は、派遣先国の空港・港湾などで、在外公館から在外邦人を引き継ぎ、航空機・船舶まで、より安全に誘導できるよう、陸自ではヘリコプター隊と誘導隊
4の要員を、海自では輸送艦をはじめとする艦艇と航空部隊を、空自では輸送機部隊および派遣要員をそれぞれ指定するなど待機態勢を維持している。
また、在外邦人等の輸送は、各自衛隊が緊密に連携して行うため、統合調整が必要となることから、輸送機や輸送艦などを用いて統合訓練を行うとともに、タイにおいて毎年行われている多国間共同訓練コブラ・ゴールドにおける在外邦人等の輸送訓練に、昨年以降、現地在留邦人の参加を得て、在タイ王国日本国大使館職員などとともに参加している。これらの訓練を通じ、外務省との連携要領や海外における自衛隊の活動要領に習熟するなど、任務遂行のための能力向上に努めている。