第III部 わが国の防衛のための諸施策 

3 島嶼(とうしょ)部に対する侵略への対応

 防衛大綱では、奥行きに乏しく、長大な海岸線と多くの島嶼が存在するわが国の地理的特性について、安全保障上の脆弱(ぜいじゃく)性と位置付けている。特に、多くの島嶼が存在するという特性から、わが国に対する武力攻撃の形態の一つとして島嶼部に対する侵略が予想される。
 島嶼部に対する侵略への対応は、自衛隊が平素から行っている警戒監視や軍事情報の収集などにより、早期に兆候を察知することが重要である。対応にあたっては、陸上の防衛のための作戦の形態と共通する点が多いが、事前に兆候を得た場合には敵の部隊などによる侵略を阻止するための作戦を行い、また、事前に兆候が得られず当該島嶼を占領された場合などにはこれを奪回するための作戦を行う。
 自衛隊は、これらの作戦を行う場合、統合運用による部隊の機動的な輸送・展開などにより、部隊を迅速に集中して、敵の部隊などを阻止・撃破する。
 
戦車をビーチングさせる海自LCAC(Landing Craft Air Cushion)

 

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