第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

1 陸上自衛隊

(1)より実効的な作戦基本部隊の体制
 平時、地域に配備する部隊(作戦基本部隊)については、予測が困難で、迅速な対処を要する新たな脅威や多様な事態に実効的に対処するため、即応性や高い機動性を備えた8個師団および6個旅団を編成し、わが国の国土の山脈、河川、海峡といった地理的特徴などに応じた14区画の各々に配置する。
(図表II-2-2-1 参照)
 
図表II-2-2-1 防衛大綱における師団・旅団の配置

(2)新たな安全保障環境に対応する体制移行
 従来の対機甲戦を重視した整備構想を転換して、ゲリラや特殊部隊による攻撃や大規模災害などの新たな脅威や多様な事態に迅速に対応できるよう全国に部隊を配置し、国際平和協力活動への対応を強化するため、「人(マンパワー)」を重視した体制に移行する。
 07大綱の編成定数16万人から15.5万人に削減しつつ、常備自衛官の定員を07大綱の14.5万人から14.8万人に増やし、実効的な対応を担保する。一方、主要装備である戦車、特科(とっか)装備(火砲など)について、前者は約900両から約600両に、後者は約900両/門から約600両/門にそれぞれ削減する。
(図表II-2-2-2 参照)
 
図表II-2-2-2 目標とする編成定数および主要装備数量の変遷

(3)中央即応集団の新編
 各種の事態が生起した場合に事態の拡大防止などを図るため、機動運用部隊(中央即応連隊など)や各種専門部隊(中央特殊武器防護隊など)を一元的に管理し、事態発生時に各地に迅速に提供する部隊として、中央即応集団を新編する。また、同集団の下に、国際平和協力活動に迅速に派遣するとの観点から、必要な教育訓練や研究などを行う国際活動教育隊を新編する。

 

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