第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

5 武器輸出

 ロシアは、軍事産業基盤の維持、経済的利益のほかに、外交政策への寄与といった観点から武器輸出を積極的に推進しているとみられ、輸出額も近年増加傾向が続いている。また、07(同19)年1月、武器輸出権限を国営企業「ロスオボロンエクスポルト」21に独占的に付与し、引き続き、輸出体制の整備に努めている。さらに、ロシアは、軍事産業を国家の軍事組織の一部と位置づけ、スホーイ、ミグ、ツポレフといった航空機企業の統合を図るなどその充実・発展に取り組んでいる。
 ロシアは、中国、インド、アルジェリア、ベネズエラ、ASEAN諸国などに戦闘機や艦艇などを輸出し22、また、01(同13)年には北朝鮮、イランとの間で軍事技術協力に関して合意している。


 
21)「ロスオボロンエクスポルト」は、07(平成19)年11月に創設された国営公社「ロステフノロギヤ」の傘下に入った。

 
22)03(平成15)年から04(同16)年にかけて、インドネシア、マレーシア、ベトナムとの間でSu-27、Su-30戦闘機などの売却契約が結ばれ、一部が引き渡されているほか、同年1月にはインドに空母を売却する契約も結ばれた。また、06(同18)年はアルジェリアとベネズエラとの間でSu-30戦闘機などの売却契約が結ばれ、一部は引き渡されている。


 

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