第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

3 アジア太平洋地域における軍事態勢

 太平洋国家でもある米国は、アジア太平洋地域に陸・海・空軍と海兵隊の統合軍である太平洋軍を配置し、この地域の平和と安定のために、引き続き重要な役割を果たしている。
 陸軍は、2個師団から構成され、ハワイに第25歩兵師団を配置するほか、韓国に第2歩兵師団、第19支援コマンドなど約1万7,000人、日本に第1軍団(前方)・在日米陸軍司令部など約3,000人を配置している1
 海軍は、ハワイに司令部を置く太平洋艦隊の下に、西太平洋とインド洋などを担当する第7艦隊、東太平洋やベーリング海などを担当する第3艦隊などから構成され、艦艇約180隻を擁している。このうち第7艦隊は、1個空母打撃群を中心に構成されており、日本、グアムを主要拠点として、領土、国民、シーレーン、同盟国その他米国の重要な国益を防衛することなどを任務とし、空母、水陸両用戦艦艇やイージス巡洋艦などを配備している。
 海兵隊は、ハワイに司令部を置く太平洋海兵隊の下に、米本土と日本にそれぞれ1個海兵機動展開部隊を配置している。このうち、日本には第3海兵師団とF/A-18などを装備する第1海兵航空団約1万5,000人が展開しているほか、重装備などを積載した事前集積船が西太平洋に配備されている。
 空軍は、ハワイに司令部を置く太平洋空軍の下に3個空軍を有し、このうち、日本の第5空軍に3個航空団(F-15、F-16、C-130などを装備)を、韓国の第7空軍に2個航空団(F-16などを装備)を配備している。


 
1)本項で用いられている米軍の兵力数は、米国防省公刊資料(昨年12月31日現在)による現役実員数であり、部隊運用状況に応じて変動しうる。


 

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